Urban Guitar SAYONARA

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Archive for the ‘Ektoplazm’ Category

Itsu – Sublimate

2012/10/06

 Itsu - Sublimate

 - Tracklist -
 01. Monsoon
 02. Drizzle
 03. Don’t Dance To This
 04. Top Harmonic



 - 03. Don’t Dance To This


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 Release Page* = pay what you wish) :
  ≫ [ bandcamp* ] / [ ektplazm ] Download Free!

 Release Date : 2012.08.18
 Label : Not On Label [on bandcamp/Ektplazm

 Keywords : Breakbeat, Electronic, Glitch, IDM, Psychedelic.


 Related Links :
  ≫ Itsu on Last.fm / on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp


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オーストラリアはシドニーのミュージシャン、ItsuことBen Jancovichの作品が、bandcampを通じてフリーでリリースされています。bandcampで公開後、間もなくしてTrance/Psychedelic musicのディストリビュータとして知られる(そしてネットレーベルとしての顔も持つ)Ektplazmからも入手が可能になりました。

Ben Jancovichの経歴としては、Progressive/Alternative Rockバンドのギタリストとして活動していたということですが、Rockに幻滅、退屈してElectronic musicにフォーカスし始めたということです。’Rockに飽きて’とか’バンドに退屈して’とか、そういう理由でElectronicなソロ・ワークに移行する人は少なくありませんが、そういう経緯で生み出されたサウンドの中でも、Rockの名残を感じさせるものと、そうでないものとがある。Itsuのサウンドは前者に属するように思う。M-2においては、重厚なリズム(Breakbeat)とPsychedelic/Trance的なシンセサウンド(大胆なGlitch)がバックを固めているけれど、ギターフレーズと思しきものがところどころで聴こえてくる。Electronicな編集は加えられていても、硬いリズムと重なって奏でられるそれが醸す抒情性や陶酔感は、Rock musicのそれに共通する。またM-3は’Don’t Dance To This’というタイトルがシニカルな、ダンサブルなリズムとGltich, Scratch的なシンセがさく裂するトラックなのだけれど、フラットな音像の中で放射される高揚感や暴力性もまた、Rockのそれと無縁ではないように感じる。

M-1は冒頭のAmbientな出だしからは、クラシックなIDM/Electronicaの匂いを強く感じるのだけれど、BleepyなゆがんだシンセからはBass musicの影響が感じられるし、リズムパターンが途中で切り替わるような入り組んだ構造からは、やはりかつてProgressiveなバンドに在籍していたということを想起させられる。Psychedelicな響きをもっていながらも、彼のサウンドにはどこか感傷性や、透明感があるのが特徴で、決してPsychedelic/Trance musicのファンでなくとも、魅力を感じることができるでしょう。たとえば私のようにMelodicなIDMのファンなんかにもきっとアピールするはず。IDM/Psychedelicな音作りのミュージシャンは少なからずいますが、その中でもこのItsuのように、Pop志向(聴かせようという意思)を打ち出したものはそう多くない。また、Rockを通過後のサウンドであり、さらにはBreakbeatやGlitchといった、隙間や溝を生かした音作りを行うセンス、これらを同時に持ち合わせている点も、見過ごせない。ライヴ活動なんかもしっかり行っているようですが、是非とも精力的にリリースをしてほしいですね。良作です。


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(CC) by – nc – nd 3.0



mote. – Dust Particle EP

2012/01/27

 mote. - Dust Particle EP

 - Tracklist -
 01. Dust Particle
 02. Widachi
 03. Life is Large



 - 02. Widachi


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 Release Page :
  ≫ [ bandcamp ] / [ Ektoplazm ] Download Free!

 Release Date : 2012.01.22
 Label : Not On Label [on bandcamp

 Keywords : Ambient, Electronica, IDM.


 Related Links :
  ≫ mote. on Facebook / on SoundCloud / on bandcamp

  ≫ Reality Pixie on MySpace / on SoundCloud / on Discogs


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 オーストラリアのミュージシャン、Darren Smith。彼の新しいプロジェクト、mote.の作品が、bandcamp, Ektoplazmを通じてフリーでリリースされています。これまではReality Pixieの名前で、PsychedelicなTrance musicを作ってきたということですが、はたしてこのプロジェクトはいかに。

 ということで聴いてみると、これが耽美性のあるAmbient/Electronica/IDMになっていて、すぐに引き込まれました。Bass musicのような低音のうねりも感じさせつつ、鍵盤やストリングスも織り交ぜた硬質なサウンド。それは冷たくも美しい。わりと長尺なトラックが多くて(どのトラックも6分はある)、その中で展開が豊かな部分も特徴かと思う。

 M-1’Dust Particle’。ダビーなベース、冷たく響く電子音、ゴーストの悲鳴のようなストレンジなエフェクト、エレガントなストリングス、これらが作り出すのは、寂れた洋館が秘めているような、背徳感。気品と後ろめたさ。M-2においては、ストリングスの妖艶さにさらに磨きがかかる。さらに、ホーンのような音色が作り出すシアトリカルな空気や、ブヨブヨしたベースの生み出すダークなイメージもあいまって、このトラックはGothやIndustrialにも通じるような気がする(ちょうどPIGことRaymond Wattsのサウンドを思い出したりした)。

 M-3においては、冒頭部分で、包容力のあるAmbient空間が広がっていて、タイトルどおりと言っていいだろうか、懐の広さを感じさせる。広大な森林のような深遠さ。クールにBreakするリズムは非常にマシーナリーなのだけれど、その後ろで入り乱れ、跳ね回る電子音たちが思わせるのは、生物たち、生命たちの営み。遠くの空を飛ぶ鳥の姿であったり、木々の間から漏れる太陽の光であったり、苔むした木の表面を這う昆虫、ハ虫類たち、あるいはキノコの類が放つ胞子だったりと、イメージはどんどんふくらんでいく―ラストはまた宇宙的な空間がゆっくり流れ、リスナーはゆっくりとそこに吸い込まれていく。今作のハイライト。

 ということで、新しくはないかもしれませんが、やはり私は大好きなサウンドなので、これからも精力的に活動してくださるとうれしいです! ちなみにダウンロードすると1トラックだけボーナストラックがついてきます。お楽しみに。今作で久々にIDMらしいサウンドを聴いた気がします。


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 Artwork by Lewis Smart
 Mastering by Felix Greenlees

(CC) by – nc – sa 3.0


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 source is Ektoplazm. thanks.




Proton Kinoun – 『Apeiron』

2009/12/23

 
 Proton Kinoun – 『Apeiron』


 - Tracklist –
 01. Skyward Dreams
 02. Silver Satellite
 03. Peripheral System
 04. Stars Wobbling…
 05. …Life’s Bubbling
 06. Light Echoes
 07. Illimitable


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 Release Page Download Free!

 Release Date : 2009.11.05
 Label : Omnitropic (sublabel of Ektoplazm

 Keywords : Ambient, Downtempo, Drone.


 - Proton Kinoun on Virb


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 Ektoplazmは、カナダはトロントにあるレーベル。Psychedelic Tranceに焦点を当てたリリースを行っていますが、現在はその下位レーベルとして、Ambient/DowntempoメインのOmnitropic、Techno/Progressive HouseメインのDrumloreが存在します。この作品はOmnitropicからのリリースで、Proton KinounことKasper Weensgaardは、デンマークはコペンハーゲンのアーティスト。

 Power Noiseという言葉は聞いたことがあるが、Power Ambientという言葉は果たして私は聞いたことがない。誰かがすでに言っていそうな気もするが、私はこの作品にPower Ambientという言葉を使いたい(ついに勝手にジャンル名を増設だ)。たとえばAmbient musicでも、そこにある流れが強かったり、音の層が厚かったりすると、Deep Ambientという言葉が使われかねない。しかし私にとってはそれ(Deep)は、フラットなTechno musicを連想させる言葉であり、したがって直線的なゆるぎない流れ、一枚岩のような音層が予想される。
 対して(この)Power Ambientはどうか。あちらが岩だとしたら、こちらは膜だ。いかようにでも形が変わる。あちらが水晶玉だとしたらこちらは水風船だ(別に劣っていると言いたいわけではない)。ピュアなAmbient musicがわれわれの心を手放しで宙に放り出すものだとしたら、Power Ambientは、われわれの身体をその厚い、けれど柔らかい膜で包み込み、浮き上がらせ(ときに沈ませ)、小旅行に連れ出してくれる。どのような旅行に連れ出し、どのような景色を見せるかという部分で、音(というか曲)の弁別がなされるべきであろう。
 というわけで、この作品はわれわれに宇宙を見せてくれる。Ambienceを孕んだ膜の向こうにある電子音の瞬きが、暗黒空間で燃える星ぼしの神秘性を演出する。高みへと連れ去るような上昇音に隠れて在る、さりげない低音の流れが、未知との遭遇への不安を煽る。非常に抽象的な、深遠なAmbient musicであるのと同時に、けれど、規則的なリズムが入ってくるので、音楽的な聴取も可能。というかそのように聴くべき。リズムレスのヴァージョンにしたら、また違った旅が出来そうだ。


 ちなみにKasper WeensgaardはPsylent Buddhiという名前でGoa Tranceも作っていた(作っている?)ようなので、気になる人はコチラをチェック。フリーでダウンロード可能。


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(CC) by – nc – nd 2.5


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– Proton Kinoun – Light Echoes video –